初めに
こんにちは!そして初めまして!
動物バナシの管理人、ユーイチです。
私は生き物の中でカエルが一番好きなんですが、カエルが好きというと意外と周りの反応が悪いんです。
ですが、カエルは見た目の愛らしさ、鳴き声の美しさ、動きのユーモラスさ、種としての多様性、どれをとっても魅力的な生き物です。
という訳で今回は、カエルの魅力を伝えるために面白い特徴を持つカエル達を何種類か紹介したいと思います。
それでは早速行ってみましょう。
世界最大のカエル
世界最大のカエルと言えば有名な「ゴライアスガエル」です。
このカエルはかなり有名なカエルなので知ってる人も多いと思います。
(ネットで検索するとゴライアスガエルと言って、アフリカウシガエルの画像が乗ってあるときもあるので注意)
このゴライアスガエル、体長が30㎝もあり、四肢を含めた全長が80㎝をオーバーする巨大なカエルです。
動いているものであれば何でも食べるので、昆虫や甲殻類だけではなく、小型の脊椎動物も食べてしまいます。
参照:eco-caf
参照:biographic
しかし名前の有名さとは裏腹に、その生態はよく分かっていません。
その一つの要因は生息域が限定的な為です。
ゴライアスガエルはカメルーンと赤道ギニアのほんの一部でしか生息していないんです。
そんなゴライアスガエルですが、絶滅の危機に瀕しています。
緑色の部分がゴライアスガエルの生息地
参照:Wikipedia
理由は現地の食用とペット需要が高まった為の乱獲です。
実際、世界最大のカエルと呼ばれるだけあって、マニアにとっては喉から手がでる程の生き物だと思います。
その為、赤道ギニア政府はペット取引の為に年間300を超える数のゴライアスガエルは輸出しないとしています。
世界最小のカエル
世界一巨大なカエルはゴライアスガエル。
では、世界一小さいカエルは知っているでしょうか?
その名も、「Paedohryne amauesis(ペイドフリン・アマンシウス)」。
参照:natgeo
パプアニューギニアに生息するジムグリガエルの一種です。
体長何と7.7㎜ほどしかなく、大人の爪の半分程度のサイズしかありません。
このカエルの驚くべきところは、この小さな身体でありながら、骨格や内臓が他のカエルと同様にちゃんと揃っているというところです。
身体の作りは先程のゴライアスガエルと何も変わらないにもかかわらず、体長は約100分の1も違います。
参照:termwiki
このカエルの凄い所は、カエルの中で世界一小さいだけではなく、全脊椎動物の中でも世界最小なんです。
このカエルは今現在は絶滅の危機には瀕していないと考えられているので、しっかり保護して行って欲しいです。
パラシュートを付けたカエル
皆さんは、ムササビやモモンガのような空を鮮やかに滑空する動物はご存じでしょうか?
前脚と後脚の間に飛膜と呼ばれる膜があり、グライダーのように木と木の間を滑空します。
カエルの中にもこれと同じ特徴を持つカエル達がいます。
それを「トビガエル(flying frog)」と呼びます。
生息地域は東南アジアや中南米の国々に生息しています。
実はこの特徴を持つカエルは意外と多く、全部で数十種類と考えられています。
このカエルの最大の特徴は、空を滑空する飛膜を持つ事ですが、この飛膜は水かきが大きく進化した事によって作られました。
トビガエルの一種:ワラストビガエル
参照:Wikipedia
レインワードトビガエル(ジャワトビガエル)
このカエル達は基本的に樹上性で陸地に降りるときはほぼありません。
滑空能力も高く、餌や天敵から身を守るために木から木へと飛び移りますが、中には15メートル以上の距離を滑空することもあります。
またそれ以外の特徴として、トビガエルの仲間たちはどれも指先が大きく発達しています。
これは着地時の衝撃を吸収するために発達した特別な指先なんです。
トビガエルは種類によってはペットとして取引されていますが、オスとメスで飼育の難易度が劇的に変わります。
これも種類によりますが、ジャワトビガエル等のメスは比較的大きく丈夫なので飼いやすいのですが、オスは神経質で体も小さく弱いので環境の変化にとても弱いです。
また、メスはトビガエルの特徴である綺麗な体色は無く、本当に「ただの大きいカエル」にしか見えません。
その為、値段も高く、飼育も難しいこのカエルは個人で飼うのはお勧めしないです。
芸術的な演技をするカエル
次に紹介するのは「コケガエル」です。
別名:Mossy frogと呼ばれています。
名前から分かる通り、このコケガエルの見た目はまさに岩に生えている苔そのものです。
このカエルが苔の上にじっとしていたら、見分けるのは難しいです。
参照:joelsartore.com
参照:Wikipedia
コケガエルが生息するのは東南アジアの国になります。
コケガエルで特に有名なのがベトナムコケガエルではないでしょうか。
このカエルはペットとしても人気が高く、国内でも繁殖されているので、手に入りやすいカエルの一つです。
ベトナムコケガエル
参照:Wikipedia
このコケガエルの代名詞となっているのが、死んだふりです。
実はこの死んだふりは他の動物でも見られます。
特に有名なのがオポッサムではないでしょうか。
オポッサムの偽死
参照:Wikipedia
しかしこのコケガエルの死んだふりもオポッサムに負けず中々見事なものです。
コケガエルが身の危険を感じると体を丸めてひっくり返り、ピクリとも動かなくなってしまいます。
コケガエルの偽死
参照:joelsartore.com
コケガエルにしてみたら必死の行動なのですが、その行動も愛らしいのでペットとしての人気になる理由の一つです。
半透明の身体を持つカエル
自然の力とは時にとてつもない進化を生み出します。
私のような凡人にはとても思いつかないようなカラーリングやデザインを生き物たちは進化の果てで獲得します。
これから紹介する「グラスフロッグ」と呼ばれるカエル達は、まさに進化の大きな力が生み出した芸術作品の一つだと思います。
このカエル一見すると、ライムグリーンの綺麗なカエルに見えますが、腹側から見るとなんと身体が半透明になっているんです。
その為、内臓や心臓が脈打つところがはっきりと見えます。
参照:joelsartore.com
生息地は、主にコスタリカやエクアドル、コロンビア等の中南米の国になります。
分類はアマガエルモドキ科に属しており樹上性の為、陸地に降りてくるのは交尾と産卵の時くらいです。
参照:Wikipedia
当然この見た目ですからペットとしての人気も高いカエルです。
日本で見るグラスフロッグと言えば、フライシュマンアマガエルモドキと呼ばれる種です。
私は飼った事は無いのですが、飼育は簡単だと言われています。
別名でグミガエルとも呼ばれています。
ただその割には繁殖に成功したという話は聞かないので、いうほど簡単ではないのかなという気もしています。
参照:Wikipedia
面白い事に、このカエルの身体が何故半透明なのかは実は最近まで謎だったんです。
カモフラージュするには中途半端の為、捕食者に見つかりやすいのではないか?と考えられてました。
しかし実験の結果、この半透明の身体は、「身体を隠すカモフラージュ」ではなく、「体の輪郭をぼやかす」ためのカモフラージュだったことが分かったんです。
この辺りは、面白いのでいつかしっかり話したいところです。
カエルに見えないカエル
最後に紹介したいのが、一見するとカエルには見えないカエル「インドハナガエル」です。
このカエル、現地の人にはすでに良く知られたカエルだったのですが、2003年に改めて新種として発表されました。
何よりもインパクトがあるのがその見た目です。
知らない人に見せたらこれがカエルだと分かる人はあまりいないのではないのでしょうか?
しかしこの見た目は、このカエルの独特なライフスタイルに特化した結果によるものです。
カエルに見えないカエル「インドハナガエル」
参照:Wikipedia
生息域はインドの西ガーツ山脈の広範囲に分布しており、ある程度人の手が入っている所でも、その姿は確認されています。
このカエルが現在のような見た目になった大きな理由として、地中からほとんど出てこないという特徴があります。
驚く人もいるかもしれませんが、実は地中の中に住むカエルは少なくはありません。
しかし大体は夜になると餌を求めて地表に出てきます。
参照:Wikipedia
しかしこのカエルは違います。地表に出てくるのは繁殖の為の僅か2週間程度だけで、後はずっと地中に潜っています。
このカエルの主食はアリやシロアリなのですが、この尖った鼻で地中のアリの巣を壊し、土の中で食事をします。
その為、このカエルはほとんどを地中の中で生活をし、地表に出てくるのはモンスーン時期の2週間だけなんです。
ここまでくると、もはやカエルというよりモグラに近い生き物です。
インドハナガエルの交尾
参照:Wikipedia
当然こんなに珍しいカエルですから、ペットとして買ってみたいと思うマニアもいるかもしれませんが、このカエルを飼うのはライフサイクルから見てほとんど不可能だと思います。
実際にペットとして流通しているという話も聞かないので、こんなカエルもいるんだなという思いをはせるだけにとどめておきましょう。
さて、どうだったでしょうか?
カエルと言っても、どの環境に適応しているかで、まるで違うライフサイクルを送る古都になるんです。
今回紹介した以外でも、驚くべき機能を持ったカエルはまだまだ沢山います。
少しでもカエル達に興味を持っていただけたらと思います。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。