【分かりやすい物理学】 放物線とはなんだ?垂直と水平の動きで考えてみよう!

放物運動とは

皆さんはバスケットのフリースローをする時にボールをどうやって投げるでしょうか?

大体の人がリングを狙ってボールを斜め上にがげると思います。

ボールは弧を描いて宙を飛び、やがてリングに落ちる、もしくは地面に落ちる事になります。

このようにある物体を投げた時に、その物体が描く軌道を放物線といいます。

そして、この放物線を描く軌道を放物運動と呼びます。

放物運動の2つの動き

放物運動は水平方向の動きと、垂直方向の動きを分けて考えると理解しやすいです。

空気抵抗を考えなければ、水平方向には一定の速度で進み続けます。

一方、垂直方向については、重力によって一定の大きさの力が下向きにかかり続け、その影響を受けた加速度運動となります。

放物線の水平方向の動き

放物運動の内、水平方向の運動だけを見てみると、同じ速さで進む等速直線運動になっています。

つまり、飛んでいる物体を真下から見ると、同じ速度で横に進んでいるように見えるんです。

放物線の垂直方向の動き

垂直方向の運動は、頂点から地面に落ちるまでの間は落体の法則に従って、一定の加速度で速度が増す落下運動になっている。

また、投げた場所から頂点までの垂直方向の運動は、落下運動と全く逆で、一定の負の加速度で速度が遅くなる上昇運動になっています。

つまり、飛んでいる物体を後ろから見ると、物体は上に行くにしたがって徐々に遅くなり、頂点で一瞬静止した後、下に行くにしたがって徐々に早くなるように見えます。

放物運動とはこの二つの運動を重ね合わせた物と言えます。

世陸で見た放物線運動

この放物線運動をよく表したスポーツがあります。

それは陸上投擲種目の1つである砲丸投げです。

私自身は砲丸投げどころか陸上競技そのものをやったことは無いので、専門的な知識はありませんが、陸上競技種目を見るのは大好きです。

2022年の世界陸上オレゴン大会の金メダル争いは本当に手に汗握る戦いでした。

ライバルのR・クルーザーとJ・コバックスの抜きつ抜かれつの戦いは歴史に残ると思います。

世界陸上2022 オレゴン大会 男子砲丸投げ決勝

砲丸の重さは男子で7.26㎏もありますから、野球のような投げ方をしていたら、すぐに肩を壊してしまいますし、大した距離も出ないでしょう。

そこで砲丸投げには大きく分けて2種類の投げ方があります。

1つは動画に出てくる選手のような「回転投法」、そしてもう1つは「グラインド投法」と呼ばれるものです。

グラインド投法の投げ方  出典:日本陸上競技連盟

グラインド投法のイラストを見ると、速さと体の回旋の動きと腕の伸筋の力をうまく使っているのかが想像できます。

グラインドのところで速さの力を出し、デリバリーの前半で回旋の力を生み出して、デリバリー後半でスピードと回旋力を止め、慣性力と上肢の伸筋で砲丸を押し出しているのではないかと考えられます。

これが全部綺麗に決まったら、砲丸の重さは実際の重さより軽く感じるのではないでしょうかね。

一方、回転投げは遠心力を使い、体の回旋を強める事と理想の投射角度を得るのに有利なのかなっと見えました。

この理想的な投射角度が得られることによって放物運動が綺麗に描ける=飛距離が伸びるのではないでしょうか。

もう一度言いますが、私自身は砲丸投げをやったことが無いので、あくまで見いてそういう動きなのかと予想しているだけですので間違えないでください。

むしろ詳しい人がいたら投げ方の理論をレクチャーしてもらいたいくらいです!

重い砲丸をただ遠くに飛ばす。

シンプルな競技ですが、かなり精密な身体操作が求められる凄い競技です。

砲丸投げは中々日本人が活躍しづらいので、注目は集まりにくいですが、放物線運動を理解するには本当にいい種目です。

是非注目して見てみてください。

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