【中学受験の円周率】
円とおうぎの面積を求めてみよう。
問題プリント付き。

初めに

こんにちは!そして初めまして! 動物バナシの管理人のユーイチです。

今回は円周率を使った問題、特に円とおうぎの問題を解いていこうと思います。今回の学習の狙いとしては、

  • 円の直径と円周の長さの関係を理解して、円周の長さを求められるようになる。
  • おうぎの形の性質をりようし、弧の長さや中心角の大きさを求められるようになる。
  • 円の面積の公式を利用して、円やおうぎ形の面積を求められるようになる。
  • 円やおうぎ形と色々な形を組み合わせた図形の面積を求められるようになる。

これらを目指していきます。

それでは早速行ってみましょう。

今回使った問題はこちらからプリントアウトして使えます。

円周率と円周の長さ

問題1

次の問いに答えなさい。

① ある缶のふちの円周の長さを測る為に、缶に紐を巻き付けたところ、22㎝になりました。この缶の直径の長さが7㎝の時、円周率はいくつになりますか。少数第3位を四捨五入して求めなさい。

② 直径が5㎝の円周の長さは何cmですか。円周率を3.14として計算しなさい。

解き方のポイント

円周率と円周の長さ$$円周率=\frac{円周の長さ}{直径}$$$$円周の長さ=直径×円周率$$

問① 解き方

直径に対する円周の長さの割合の値$(=\frac{円周の長さ}{直径})$、つまり円周の長さが直径の長さの何倍にあたるかを表した値を、円周率と言います。$$\frac{22}{7}=22÷7=3.142… → 3.14$$

 3.14
どんな大きな円でも、円周率の値は一定で、約3.14になります。(正確には3.14以上に続いていく少数になります。)

問② 解き方

円周率を3.14としているので、直径の3.14倍が円周の長さです。$$5×3.14=15.7(cm)$$

 15.7cm

3.14の計算

3.14と1桁の数の積を暗記しておくと、2桁以上の計算の時に便利なので覚えておくと良いですね。

おうぎ形の中心角と弧の長さ

問題2

半径が4㎝で、中心角が90度のおうぎ形があります。これについて、次の問いに答えなさい。ただし、円周率は3.14とします。

① このおうぎ形のこの長さは何cmですか。

② このおうぎ形の周りの長さは何cmですか。

解き方のポイント

弧の長さ=円周の長さ×$\frac{中心角} {360}$
円を2つの半径で切り取った形を、おうぎ形と言います。また、おうぎ形の2つの半径が作る角を中心角、曲線部分をと呼びます。

問1 解き方

$$\frac{90}{360}=\frac{1}{4}$$より、90度は円の中心角360度の$\frac{1}{4}$です。したがって、弧の長さも円周の長さの$\frac{1}{4}$になります。

半径4㎝の円の直径の長さは8㎝なので、$$8×3.14×\frac{1}{4}=8×\frac{1}{4}×3.14=2×3.14=6.28(cm)$$

 6.28
この時、$8×\frac{1}{4}$を先に計算すると、計算しやすくなります。

問② 解き方

このおうぎ形の周りの長さは、弧の長さに半径の長さを2つ分を足した長さになります。

$$6.28+4×2=14.28(cm)$$

 14.28㎝

円に対するおうぎの割合

色々な図形の周りの長さ

問題3

次の図のように、正方形と円、半円、四分円を組み合わせました。影を付けた部分の周りの長さは何cmですか。ただし、円周率は3.14とします。

問1 解き方

半径8㎝四分円のこの長さと、直径8㎝の半円の弧のながさと、8㎝の辺の長さを合わせた長さになります。

$$8×2×3.14×\frac{1}{4}+8×3.14×\frac{1}{2}+8$$

$$=4×3.14+4×3.14+8$$

$$=(4+4)×3.14+8$$

$$8×3.14+8$$

$$=25.12+8$$

$$=33.12$$

円周率の計算の工夫

円周率(3.14)を掛ける計算が何度かある時は、分配の決まりを使うと、計算が簡単になります。

$$3×3.14+5×3.14=(3+5)×3.14=8×3.14=25.12$$

$$9×3.14-4×3.14=(9-4)×3.14=5×3.14=15.7$$

分配の決まり$$▢×△+〇×△=(▢+〇)×△$$$$▢×△-〇×△=(▢-〇)×△$$

問② 解き方

影を付けた部分の周りの長さを合わせると、円周の長さと正方形の周りの合わせた長さになります。

$$8×3.14+8×4$$$$=25.12+32$$$$=57.12(cm)$$

 57.12cm

円とおうぎ形の面積(1)

問題4

次の図形の面積は何㎠ですか。ただし、円周率は3.14とします。

① 半径が4㎝の円

② 半径が6㎝、中心角が120度のおうぎ形

円とおうぎ形の面積

$$円の面積=半径×半径×円周率$$$$おうぎ形の面積=円の面積×\frac{中心角}{360}$$

右の図のように、円を細かく等分して形も大きさも同じおうぎ形に分け、並べ替えます。おうぎ形の中心角を小さくするほど、その形は長方形に近づいていきます。

したがって、円の面積は、縦が半径、横が円周の半分の長さの長方形の面積として考えることが出来ます。よって、$$円の面積=半径×円周の半分の長さ$$$$=半径×直径×円周率÷2$$

$$=半径×半径×2×円周率÷2$$$$=半径×半径×円周率$$となります。

問① 解き方

半径が4㎝の円の面積は、$$4×4×3.14=50.24(㎠)$$

 50.24㎠

問② 解き方

弧の長さと同様に、中心角の割合からおうぎ形の面積が円の面積のどれだけにあたるかを考えます。$$\frac{120}{360}=\frac{1}{3}$$より、おうぎ形の面積は円の面積の$\frac{1}{3}$となります。

$$6×6×3.14×\frac{1}{3}=12×3.14=37.68(㎠)$$

 37.68㎠

円とおうぎ形の面積(2)

問題5

次の図で、影を付けた部分の面積は何㎠ですか。ただし、円周率は3.14とします。

問① 解き方

影を付けた部分は、大きい円から小さい円を取り除いたものなので、大きい円の面積から小さい円の面積をひいて求めます。大きい円の直径は$(4+2)=6㎝$、小さい円の直径は4㎝なので、半径はそれぞれ$(6÷2)=3㎝$、$(4÷2)=2㎝)$です。

影を付けた部分の面積は、$$3×3×3.14ー2×2×3.14$$$$=9×3.14-4×3.14$$$$=(9-4)×3.14$$$$=5×3.14$$$$=15.7(㎠)$$

 15.7㎠

問② 解き方

半円の面積とおうぎ形の面積を足して求められます。半円の半径は$(20÷2=)10㎝$なので、影を付けた部分の面積は、

$$10×10×3.14×\frac{180}{360}+20×20×3.14×\frac{72}{360}$$$$=100×3.14×\frac{1}{2}+400×3.14×\frac{1}{5}$$$$=50×3.14+80×3.14$$$$=(50+80)×3.14$$$$=130×3.14$$$$=408.2(㎠)$$

 408.2㎠

どうでしたか?今回は円周率を使った円と扇の問題でした。

少し難しいかもしれませんが、ここで紹介した解き方を参考に行っていけば類題問題は解けるようになると思います。

諦めずにすこしずつ理解していきましょう。

それでは今回はここまで。 最後までお読みいただき ありがとうございました。

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