【中学受験の算数】素数を使った約数の個数の求め方(問題付き)

中学受験の算数では、約数の個数を求める問題がよく出題されます。その中で重要な考え方の一つが、素数と素因数分解を利用する方法です。このブログでは、約数の個数を効率的に求める手法を詳しく解説します。また、最後には実践問題も用意しましたので、ぜひ挑戦してみてください。


1. 素数と素因数分解とは?

まず基本的な知識として、素数と素因数分解について確認しましょう。

素数とは? 素数は、1とその数自身以外に約数を持たない自然数のことです。たとえば、2、3、5、7、11 などが素数です。

素因数分解とは? 素因数分解とは、ある整数を素数だけの積に分解することを指します。具体的には、対象となる数を小さい素数から順に割り算していき、割り切れなくなるまで繰り返すことで、その数を素数の積に分解することができます。たとえば、36 を素因数分解する場合、まず 2 で割ると 18、さらに 2 で割ると 9、次に 3 で割ると 3、最後に 3 で割ると 1 になり、結果として 36 = 2 × 2 × 3 × 3 と分解できます。たとえば、36 を素因数分解すると次のようになります:

36 = 2 × 2 × 3 × 3

この表現が、約数の個数を求める鍵となります。


2. 約数の個数を求める公式

素因数分解を使えば、約数の個数を簡単に求めることができます。公式は次の通りです:

約数の個数 = (それぞれの素数が登場する回数に 1 を足した数)をすべて掛け合わせた値

なぜ「+1」をするのかを詳しく説明します。

素数が登場する回数に 1 を足す理由は、「その素数を何回使うか」を選択するためです。

例えば、36 を素因数分解すると、36 = 2 × 2 × 3 × 3 となります。

  • 2 は2回登場しますが、「0回使う」「1回使う」「2回使う」の3通りの選択肢があります。
  • 同じように、3 も「0回使う」「1回使う」「2回使う」の3通りの選択肢があります。

これらの選択肢を組み合わせることで、すべての約数が得られます。つまり、

  • 2 に関しては (2の個数 + 1) 通り
  • 3 に関しても (3の個数 + 1) 通り

それぞれの素数の選択肢を掛け合わせることで、すべての約数を網羅することができるのです。

実際に計算すると:

36 = 2 × 2 × 3 × 3

  • 2 の個数は 2、なので (2 + 1) = 3
  • 3 の個数は 2、なので (2 + 1) = 3

約数の個数 = 3 × 3 = 9

列挙すると、1, 2, 3, 4, 6, 9, 12, 18, 36 の9個になります。

たとえば、先ほどの 36 を例に考えます:

36 = 2 × 2 × 3 × 3

  • 2 の個数は 2 なので、(2 + 1) = 3
  • 3 の個数も 2 なので、(2 + 1) = 3

これを掛け合わせると:

約数の個数 = 3 × 3 = 9

実際に約数を列挙すると、1, 2, 3, 4, 6, 9, 12, 18, 36 の 9 個が確認できます。


3. 素因数分解を使った具体例

次に、具体例を通じて約数の個数を求める練習をしてみましょう。

例題 1

72 の約数の個数を求めなさい。

解答

  1. 72 を素因数分解します。 72 = 2 × 2 × 2 × 3 × 3
  2. 同じ素数の個数 + 1 を計算します。
  • 2 の個数は 3 なので、(3 + 1) = 4
  • 3 の個数は 2 なので、(2 + 1) = 3
  1. これらを掛け合わせます。

約数の個数 = 4 × 3 = 12

例題 2

120 の約数の個数を求めなさい。

解答

  1. 120 を素因数分解します。 120 = 2 × 2 × 2 × 3 × 5
  2. 同じ素数の個数 + 1 を計算します。
  • 2 の個数は 3 なので、(3 + 1) = 4
  • 3 の個数は 1 なので、(1 + 1) = 2
  • 5 の個数は 1 なので、(1 + 1) = 2
  1. これらを掛け合わせます。

約数の個数 = 4 × 2 × 2 = 16


4. ポイント整理

  • 素因数分解をまず正確に行う。
  • 各素数の個数に 1 を足した値を求める。
  • 全て掛け合わせることで約数の個数が求められる。

この方法は、約数をすべて列挙するよりも効率的で、特に大きな数の問題では非常に便利です。


まとめ

素数と素因数分解を利用することで、約数の個数を簡単に求めることができます。この方法をしっかり理解しておくと、算数の試験での計算が格段に速くなります。練習を重ねて、ぜひ本番でも活用してください!

練習問題

最後に、練習問題に挑戦してみましょう。

問題 1

90 の約数の個数を求めなさい。

問題 2

360 の約数の個数を求めなさい。

問題 3

素因数分解が 2 × 2 × 2 × 2 × 3 × 3 × 3 で表される数の約数の個数を求めなさい。

答え

問題 1 の答え

90 = 2 × 3 × 3 × 5

同じ素数の個数に 1 を足して掛け合わせます。

(1 + 1) × (2 + 1) × (1 + 1) = 2 × 3 × 2 = 12

問題 2 の答え

360 = 2 × 2 × 2 × 3 × 3 × 5

同じ素数の個数に 1 を足して掛け合わせます。

(3 + 1) × (2 + 1) × (1 + 1) = 4 × 3 × 2 = 24

問題 3 の答え

(4 + 1) × (3 + 1) = 5 × 4 = 20

Newton大図鑑シリーズ 物理大図鑑プレミアム

Newtonが総力をあげて制作した美しくて楽しい物理図鑑です。
本書は,物理学に関するさまざまなキーワードを,ビジュアルとともにわかりやすく解説した図鑑です。

 

最新情報をチェックしよう!