【中学受験の算数】平均の求め方と応用問題。問題プリント付き。

初めに

こんにちは!そして初めまして! 動物バナシの管理人、ユーイチです。

今回は平均を求める問題を扱っていこうと思います。とはいえ、多であ単に平均を求めるだけの問題では易し過ぎるので、今回は平均を使って、いろいろな問題の解き方を覚えていこうと思います。

今回の狙いは、

  • 平均と個数から1つの数量を求める。
  • 2つ以上の平均から、1つの数量を求める。
  • 「平均×個数=数量の合計」の式を、「縦×横=面積」の関係に置き換えて、面積図を書く。
  • 面積図を用いて、いろいろな平均に関する問題を解く。

この4つになります。

それでは早速行ってみましょう。

今回使った問題をまとめてあるので、練習用に使ってみて下さい。

平均と個数から1つの数量を求める

問題1

里見さんのテストの得点は、国語が69点、社会65点、理科70点でした。算数の得点はまだ分かっていません。これについて、次の問いに答えなさい。

①算数の得点力が78点の時、4教科の平均点は何点ですか。

②4教科の平均点が68.5点の時、算数の得点は何点ですか。

問① 解き方

いくつかの数量を同じ大きさになるように、ならした数量を「平均」と言います。平均は、数量の合計を個数で割って求めます。

数量の合計は4教科の得点の合計、個数は教科数の4なので、平均点は、

$ (69+65+70+78)÷4=282÷4=70.5$点

$ (69+65+70+78)=$数量の合計  $ ÷4=$個数

 70.5点

問② 解き方

数量の合計を「のべ」と言います

平均=数量の合計(のべ)÷個数』より、数量の合計は、『数量の合計(のべ)=平均×個数』の式で求められます。

4教科の平均点が68.5点の時、4教科の得点の合計(のべ)は、

$ 68.5×4=274$点

したがって、算数の得点は、

$274-(69+65+70)=274-204=70$点

 70点
平均とのべ:平均=数量の合計(のべ)÷個数  数量の合計(のべ)=平均×個数

2つ以上の平均から1つの数量を求める

問題2

たつや君は、国語、理科、算数、社会の4教科のテストを受けました。国語、算数、理科の平均点は71点。算数、理科、社会の平均点は72点。国語と社会の平均点は71.5点でした。これについて、次の問いに答えなさい。

① 国語の得点は何点ですか。

② 4教科の平均点は何点ですか。

問① 解き方

国語、算数、理科、社会の得点をそれぞれ㋙点、㋚点、㋷点、㋛点として、平均点から合計点を求めます。それぞれ式に表すと、

①と②の式の内、算数と理科は共通しているので、合計点の差は、国語と社会の差です。

よって、国語と社会の得点の差は、

$ 216-213=3$点

となります。

国語と社会の合計点は143点なので、和差算で考えて、国語の得点は、

$(143-3)÷2=70$点

 70点

問② 解き方

4教科の得点の合計は、

$216+70=286$点

となるので、4教科の平均点は、

$286÷4=71.5$点

 71.5点
違う解き方として、3つの数の消去算と同様に考える事も出来ます。$213+216+143=572$点が4教科の合計点の2倍と考えられるので、平均点は、$572÷2÷4=71.5$点と求める事も出来ます。

のべと平均

問題3

しんご君は、母と弟と妹の4院で電車に乗って、町へ買い物に行きました。息の電車では、席が一つしか空いていなかったので、4人で20分ずつ座りました。町で父と合流し、帰りの電車に5人で乗ると、今度は席が3つだけ空いていたので、それぞれ同じ時間ずつ座って帰りました。息も帰りも電車に乗っていた時間は同じです。これについて、次の問いに答えなさい。

① 行きの電車に乗っていたのは何時間何分ですか。

② しんご君は帰りの電車で何分座りましたか。

問① 解き方

4人それぞれが20分ずつ座ったので、電車に乗っていた時間は全部で、

$20×4=80$分 → 1時間20分

 1時間20分

問② 解き方

席が3つ空いていたので、「それぞれの席について80分ずつ座れる」と考えることが出来ます。つまり座れるのべの時間は、

$80×3=240$分です。

これを5人で同じ時間ずつ座るので、1人が座ることが出来る時間は、

$240÷5=48$分

 48分

平均の面積図

問題4

男の子が何人かと女の子が2人います。男の子の身長の平均は145㎝で、女の子の身長の平均は143㎝です。これについて次の問いに答えなさい。

① 男の子が8人の時、男の子と女の子を合わせた全員の身長の平均は何cmですか。

② 男の子と女の子を合わせた全員の身長の平均が144㎝の時、男の子の人数は何人ですか。

問① 解き方

男の子と女の子を合わせた全員の身長の合計は、

$148×8+143×2=1446㎝$

よって、男の子と女の子を合わせた全員の身長の平均は、

$1446÷(8+2)=144.6㎝$

 144.6㎝

数が大きい時は、基準よりもどれだけ大きいかを考えて問う事も出来ます。これを「仮平均(かりへいきん)」と呼びます。

140cmを基準とすると、男子の身長の平均は140㎝よりも5㎝高く、女子の身長の平均は140㎝よりも3㎝高くなっています。よって、全体の身長は140㎝よりも、

$(5+8+3×2)÷(8+2)=4.6㎝$

高くなるので、全員の身長の平均は、

$10+4.6=144.6㎝$となります。

 144.6cm

問① 別解

数が大きい時は、基準よりもどれだけ大きいかを考えて解く事も出来ます。(仮平均)

140㎝を基準とすると、男子の伸長の平均は140㎝よりも5㎝高く、女子の平均は140㎝よりも3cm高くなっています。よって、全体の身長は140㎝よりも、

$(5×8+3×2)÷(8+2)=4.6㎝$

4.6㎝高くなるので、全員の身長の平均は、

$140+4.6=144.6㎝$

 144.6㎝

問② 解き方

男の子の人数が分からないので、合計を求める事が出来ません。そこで、ここでは面積図という考え方を使って解きます。

平均と個数の関係は、『平均×個数=数量の合計』という式で表されます。

図のように、平均を縦の長さ、個数を横の長さとした長方形で考えると、数量の合計は長方形の面積で表されます。

$$\frac{平均}{たて}×\frac{個数}{横}=\frac{数量の合計}{面積}$$

男の子の人数を▢人として、男の子の身長の合計と女の子の身長の合計を面積で表すと、図2のようになります。

したがって、この図形全体の面積は、男の子と女の子を合わせた全員の身長の合計になります。

この図形全体を、面積を変えずに図3のようにします。

この時に出来る長方形は、たてが全員の身長の平均、横が男の子と女の子の人数の合計を表しています。また図3の㋐の部分と㋑の部分の面積は等しくなります。よって、

$(144.5-143)×2=3cm$・・・・㋑の面積(㋐の面積)

$3÷(145-144.5)=6$人・・・・㋐の横の長さ

したがって男の子の人数は6人となります。

 6人

面積図を使って一部の平均を求める

問題5

大人が5人、子供が4人います。大人の年齢の平均と子供の年齢の平均の差は18歳で、大人と子供を合わせた全員の年齢の平均は22歳です。この時、大人の年齢の平均は何歳ですか。

問5 解き方

平均を縦の長さ、人数を横の長さにして面積図をかくと、右のような図になります。

図1の図形全体の面積を変えずに図2のようにならします。この時に出来る長方形の縦の長さは、大人と子供を合わせた全員の年齢の平均を表しているので、縦が22歳となります。

図2の㋐の部分と㋑の部分の面積は等しいので、㋐と㋒を合わせた部分の面積と、㋑と㋒を合わせた部分の面積も等しくなっています。ここで大人と子供の年齢の平均の差は、㋐と㋒を合わせた部分の長方形の縦で表されるので、㋐と㋒を合わせた部分の面積は、

$18×5=90$

㋑と㋒を合わせた部分の縦は、

$▢=90÷(5+4)=10$歳

よって、

$22-10=12$歳・・・・子供の年齢の平均

$12+18=30$歳・・・・大人の年齢の平均

 30歳

今回は平均の問題を行いました。これ以外にもたくさん問題を解いて、しっかり身に付けていきましょう。

それでは今回はここまで。 最後までお読みいただき ありがとうございました。

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