人類の進化40
こんにちは!そして初めまして!
動物バナシの管理人
理学療法士&
エボルファンクショニスト
ユーイチです。
ここ2回の人類の進化についての話は
石器についてのお話しでした。
その話でどの種が
石器を使っていたかを判断するのは
研究が進むにつれて
難しくなってきていると話しました。
その中で研究者は
道具を作れるかどうかを
手の構造でも判断します。
手と手首の構造を見ると
その持ち主が石器を作ったり
使用したりする時に求められる
的確さと力強さがあるかどうかが
分かるんです。
ものを扱う事のが可能な手は
発達した構造と
一連の解剖学的特徴があるんです。
という訳で今回は手についての
話をしていきたいと思います。
それでは早速行ってみましょう (‘◇’)ゞ
道具を使える手を見分ける3つのポイント
先程、道具を扱えるかどうかは
手の構造で判断するといいました。
それを判断するには
3つのポイントがあるんです。
一つ目は正確な扱いです。
片手の親指と他の指で
物を回転させたり
巧みに扱ったり出来る能力です。
これが出来るからこそ
私達はペンをくるくる回す
離れ業(他の動物からすると)が
出来るんです。
二つ目は正確な握りです。
親指と他の指を
互いに強く押し付けあえる能力です。
3つ目は強く握る力です。
手のひらに載っているものを
指で強く握って
親指でしっかり固定する
能力の事です。
この3つを判断する
ポイントとしているんです。
人の手の器用さは異常な程に発達している!?
実は私達の手というのは
他の動物の追随を許さない程に
発達しています。
動物の中では断トツに器用な
チンパンジーと比べてもその差は
明らかです。
チンパンジーの手は私たち同様に
2種類の掴み方が出来ます。
1つは精密把持です。
これは小さい豆を
掴むときのような掴み方です。
2つ目は握力把持です。
これは棒や枝などを
手にしっかり収める時に
使う掴み方です。
チンパンジーの精密把持の特徴
精密把持では
親指を支えにして持ったものを
回転させたり、角度を変えたりします。
ただし、私達と比べると
チンパンジーの精密把持は
小さい物しか出来ません。
更に特徴的なのは
親指の力が弱いという事です。
それはチンパンジーの手の形に
秘密があります。
チンパンジーの手の特徴として
親指が掌の下の方についています。
これは第1中手骨が
極端に小さいためです。
この為、チンパンジーが
精密把持の時に使う指は
第1指と第2指の側面になります。
さらに言えば
それ以外の指は精密把持には
関与すらしません。
私達は精密把持を行う時は
第2指の側面を使う事は
殆ど無いと思います。
大体が第2指の腹か先端です。
また残りの第3~5指も
精密把持に関わる事が出来ます。
チンパンジーの握力把持の特徴
チンパンジーの握力把持は
第1指の根元と第2子の間に
対象物を挟み込んで行います。
こうする事で
大きな力をかける事が出来ます。
基本的にチンパンジーが
何かを扱う時には
この持ち方をします。
そして残りの指は
対象物に巻き付きます。
この握り方の時
力は確かに掛かりますが
正確な操作は難しいようです。
また握力把持を行っている時には
第1指は人間の第1指と比べて
大きな役割を果たしません。
地面と平行な枝に
ぶら下がる時の様に
4本の指を曲げて掴むだけです。
チンパンジーの手の構造上
私達の様に全ての指で握りこむ事が
出来ないのです。
その為、普段からチンパンジーの
第2・3指が曲がったままに
なっているんです。
道具を扱える手の骨を見つけるのは困難である
いくらチンパンジーの手が
発達していても
人と比べてしまうとその差は
はっきりしています。
その為、道具を扱う手の構造は
かなり特徴的であるという事なんです。
ただ、このような分析が出来る程の
揃った手の骨はなかなか
見つかる事はありません。
それでも発見されている
数少ない化石からは
特定の種が割り出されています。
数種のアウストラロピテクス属
パラントロプス属
ホモ・ナレディ
これらが道具を器用に扱えて
木登りにも適した手を
持っていたことが分っています。
まとめ
どうでしたか?
今回は道具を扱える手についての
お話しでした。
今回の話をまとめると、
道具を扱える手には
3つのポイントがある。
人とチンパンジーでは
手の発達度に大きな差がある。
道具を扱える手を持っていたのは
数種のアウストラロピテクス属
パラントロプス属
ホモ・ナレディ
である。
こんなところでしょうか?