初めに
こんにちは!そして初めまして! 動物バナシの管理人、ユーイチです。
皆さんはフレイルという言葉を聞いたことがありますか?
この言葉は2014年に日本老年医学会が提唱した概念であり、「Frailty(虚弱」を日本語訳にしたものです。
健康状態と虚弱状態の中間に位置し、身体機能や認知機能の低下が見られることを言います。
ここで大事なのは、フレイルの状態にある人は適切な治療や予防を行う事で要介護状態に進まずに済む可能性があるという事です。
今回はそんなフレイルについてお話していきたいと思います。
それでは早速行ってみましょう。
健康ってどういう状態?
皆さんは健康な状態とはどんな状態だと思いますか?
これはあくまで個人的な考えですが、健康な状態とは若者と高齢者では意味合いが変わってくると思っています。
例えば若者の場合の健康とは病気そしていない状態の事ではないでしょうか。
一方、高齢者にとっての健康とはどういう状態でしょうか?
高齢者の多くの方は何かしらの病気を持っています。
では、高齢者のほとんどは健康とは言えないのでしょうか?
いいえ違います。
高齢者にとっての健康な状態とは自立して生活が出来る状態の事を指します。
つまり健康な状態とは若者と高齢者とは違う為、高齢者の方はどうやったら自立した生活が送れるのかを考えていきましょう。
フレイルってなに?
最初に言った通りフレイルとは虚弱を表す言葉であり、健康状態と要介護状態の間の状態を指します。
ではフレイルとはどのような状態をいうのでしょうか。
フレイルには3つの構成要素があります。
- 身体の虚弱
- 心・認知の虚弱
- 社会性の虚弱
これらが1つでも衰えていく事によってフレイル状態になります。
身体の虚弱
身体的な虚弱としては、ロコモやサルコペニアなどの運動器の衰えによって起こります。
運動器の衰えにより転倒の危険性や日常生活に支障が出る可能性が高まります。
また口腔機能の低下も起こります。
咀嚼や嚥下が上手く行えなくなる事で、嚥下障害や摂食障害を起こしていしまい、より運動器の衰えを加速させる可能性が高まります。
心・認知の虚弱
心・認知の虚弱は認知機能の低下とうつ病が上げられます。
あくまで一つの実験結果ですが、高齢者のうつ有病率に対し、フレイル高齢者のうつ有病率が高かったとの報告もあります。
しかし、身体的な虚弱状態のように機能が低下しているのが分かりやすいもの違い、心・認知の虚弱は分かりにくい為、早期発見が難しく注意が必要になります。
社会性の虚弱
社会性の虚弱とは人や社会とのつながりが減ってしまう事を指します。
人との会話や交流、社会とのつながりが無くなってしまう事で、フレイルは進行していきます。
現状、心身が健康であったとしても孤独感が強くなり社会的フレイルになってしまう可能性があるので安心は出来ません。
人とのつながりによって健康的に生きる意欲にもつながる為、高齢者の社会性を維持する事はとても重要と考えられます。
フレイルになる要因
フレイルは、明確な固有の原因があって引き起こされるものではなく、加齢により様々な心身の変化と社会的、環境的な要因が重なり合って起きます。
具体例を上げると、
- 動く事が少なくなる
- 社会的に交流することが少なくなる
- 身体機能の低下(歩くスピードの低下)
- 筋力低下・筋量低下
- 認知機能の低下
- 易疲労性
- 慢性疾患(糖尿病・呼吸器疾患・循環器疾患・関節炎・抑うつ症状等々)
- 体重低下
- 低栄養
- 収入減
- 孤独感
このように、要因は多岐にわたっている事が分かります。
フレイルはこれらの原因が相互に影響しあって、本人を徐々にフレイルの状態にしていきます。
この負のサイクルを放置していると、よりフレイルを加速させて、要介護の状態へと移行してしまうのです。
この負のサイクルをフレイルサイクルと呼びます。
その為、フレイルから回復するという事は、このフレイルサイクルをどう断ち切るかが重要になります。
フレイルと混同しがちな言葉
フレイルは虚弱を表す概念ですが、それと混同しがちな言葉がいくつかあります。
次はそれぞれの違いについて少し説明します。
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドロームとは、英語の「ロコモーション(移動・運動)」または「ロコモティブ(推進する・運動できる)」から作った言葉で、移動する能力の不足や衰えた状態の事を指します。
人が日常的に動いたり運動したりする為に必要な体の仕組み全体を運動器と言います。
運動器とは骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらが障害によって機能を低下させた状態をロコモティブシンドロームと呼ばれる状態です。
サルコペニア
サルコペニアとは、高齢になるに伴い、筋肉の量が減少(老化現象)していく現象の事です。
このサルコペニアは25~30歳ころから始まり障害を通して進行していきます。
またこのサルコペニアは、広背筋・腹筋・膝伸筋群・殿筋群などの抗重力筋に多く見られるので、活動能力低下の大きな原因の一つです。
廃用症候群
廃用症候群とは角に安静にすることや、活動性が低下したことによる身体に生じた様々な状態を指します。
誰でも病気になれば、安静にして、寝ている事はごく自然にする行動ではありますが、この状態が長期にわたって続くと、廃用症候群を引き起こしてしまいます。
フレイルの診断方法
出はどういう状態であればフレイルと診断できるのでしょうか?
フレイルをチェックできる項目をいくつか紹介します。
1,日本版CHS基準
これは指定の評価基準ではありませんが、この評価方法はよく用いられます。
2,指輪っかテスト
この指輪っかテストは自分で簡単に出来るテストです。
両手の親指と人差し指を付けて、輪を作り、それをふくらはぎで測るというものです。
3,イレブンチェック
同じく東京大学高齢社会総合研究機構が開発したイレブンチェックというのも紹介します。
フレイルの予防と改改善
では診断結果でフレイルだった場合、どうすれば改善するのでしょうか。
フレイルは早期発見し、生活習慣の改善をすることで回復することが十分可能と言われています。
フレイルを予防改善する為には、運動・栄養・社会参加が必要です。
運動
ウォーキングやラジオ体操などのゆっくりとした運動を取り入れましょう。
大きく体を動かし、身体全体で動く事で血流をもよくなります。
日常生活でも出来る事は、多少時間がかかっても自分で行うようにする事も大事です。
また歩く時は歩く速さにも気を付けて下さい。
自分の普段の歩く速さより気持ち早く歩く事が大事です。
食事
フレイルの予防にはしっかり食べて栄誉をとる事は欠かせません。
当然ですが、バランスの良い食事を心がけましょう。
岐阜県の大垣市では「さあ にぎやかに いただく」という10品目を上げいています。
この10品目の内7品目以上を毎日食べる事を推奨しています。
また食べる時には、しっかりと噛む事も大事です。
高齢になると、嚙む力や舌の動き、嚥下の力なども落ちていきます。
これらを防ぐためにもおしゃべりや歌を歌う事、それ以外にも口腔体操なども日常時に行いましょう。
社会参加
社会参加は心の健康を保つのに必要になります。
身体機能が問題が無かったとしても、社会的に孤立状態であればフレイル状態となります。
その為、外に出掛けられる人はなるべく外に出て人との交流をする事が大事です。
自分で外に出る事が難しい人は、デイサービス等を利用し、人と会う機会を増やしましょう。
その他にも家族と会う機会を増やす、それが難しければ電話や手紙などで連絡を取りましょう。
大切なのは積極的に人との交流をする事によって、社会とのつながりを保つことです。
まとめ
どうでしたか?
今回はフレイルについての話をしました。
今回の話をまとめると、
- フレイルは身体・心・社会参加の3つの虚弱状態を指す。
- フレイルは予防をすれば改善できる。
- フレイルの改善にはしっかりとした運動と栄養、そして人との交流が大事である。
こんな感じです。
それでは今回はここまで。 最後までお読みいただき ありがとうございました。