フクロウの耳はどうして左右で違うのか?
驚異の音源探査能力を紹介

初めに

こんにちは!そして初めまして! 動物バナシの管理人、ユーイチです。

以前、魚類と陸棲動物の音源探査についてお話をしました。

音源探査についてはこちらから

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しかし、この時の話には出てこなかった音源探査のスペシャリストがいます。それは、ヨーロッパでは森の賢者と呼ばれる人気の動物フクロウです。

今回はこのフクロウの音源探査が、いかに凄い、またどうやってそれを可能にしているのかを、お話していきたいと思います。

それでは早速行ってみましょう。

フクロウの音源探査

フクロウは非常に優れた音源探査能力を持った動物です。特に緯度が高い地域、つまり夜が長い北国に住む夜行性のフクロウは、聴覚がよく発達しています

またフクロウは人よりも、やや高音がよく聞こえます。これは、餌となるげっ歯類の高い鳴き声を捉えるためのものです。

フクロウの顔

では、どうしてフクロウの音源探査能力が優れているのでしょう。それには、いくつかの理由があります。

まず、第1にフクロウの顔の形です。フクロウの顔は、他の鳥類と違い、円盤状をしています。

顔が円盤状のコミミズク。参照:joelsartore.com

円盤状の顔面が、パラボラアンテナのように働き、音波を左右の耳へと誘導します。また、顔を縁取る硬い羽根は、ちょうど私たちが聞き耳を立てる時に耳の後ろに手を当てるように、音波を集める働きをしているんです。

またフクロウは、この羽を筋で動かすことによって、音波を効果的に集めることが出来ます。

人が耳に音波を集めるための行為について

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フクロウの耳

音源探査が優れている理由のその2は、フクロウの耳です。フクロウの耳は頭部の前面にありますが、頭の幅が広いので、左右の耳の距離が離れています

外耳孔の周囲は皮膚が隆起し、その上に硬い羽毛が生えています。この隆起は左右で形が違っていて、更に上下の位置もずれているんです。

また耳の周囲に生えている羽毛は、左耳の周囲は下向きに、右耳の周囲では上向きに生えています。

右側の耳。耳の周囲の羽毛は上向きに生えている。参照:掛川花鳥園
左側の耳。耳の周囲の羽毛は下向きに生えている。参照:Gigazine

フクロウも他の動物と同じように、左右の耳に達する音波の強さと耳管の差によって、音源の方向の左右を識別しています。しかし、両耳の位置がずれている事と、羽毛の生え方の違いによって、上下の探査も出来るようになっています。

つまり、左右の耳の非対称性が、音源探査能力をより鋭敏見しているのです。また鼓膜も非常に大きいため、げっ歯類が出す小さな音も聞き逃しません。

まだあるフクロウの驚くべき能力

フクロウの恐るべき能力は音源探査だけではありません。フクロウの羽毛はには消音効果があり、羽ばたく音も羽をすり合わせる音もほとんど聞こえないのです。

耳を澄まし聞き取った音を頼りに、音もなく、素早く獲物を捕らえる。狩られた方は何が起きたかもわからずに、一瞬の内に命を落とす。狙われる側からすると、これほど恐ろしいハンターもいないでしょう。

フクロウの意外な弱点

恐るべき狩人のフクロウですが、そんなフクロウにも能力の限界はあります。いくら耳が良くても、音を発しない物にはどう仕様も出来ません。木の幹や枝、電線や建物等、音の出さない建造物は、あらかじめその位置を把握していないと、これらに衝突してしまう事もあるんです。

音を出さない建造物も聴覚器で避けてしまう動物について

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まとめ

どうでしたか?今回はフクロウの音源探査についての話でした。

今回の話をまとめると・・・

  • フクロウの円盤状の顔は音波を左右の耳に誘導する働きがある。
  • 耳は左右で形が違う上に位置もずれている。
  • 音源探査には優れていても音を出さない建造物にはぶつかることがある。

こんな感じです。

それでは今回はここまで。 最後までお読みいただき ありがとうございました。

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