平衡聴覚器の進化13
こんにちは!そして初めまして!
動物バナシの管理人
理学療法士&
エボルファンクショニスト
ユーイチです。
いきなりですが
皆さんは今普通に立つ事が
出来るでしょうか?
この質問に対して
大体の人は出来ると
答えると思います。
つまりそれは自分でしっかりと
バランスを取る事が出来る
という事になるわけです。
一口にバランスを取るといっても
多くの要素が重なってこそ
安定して取る事が出来ている訳です。
その要素の大きな一つに
今回お話しする半規管が
関わっている訳です。
それでは半規管とは
どうやって出来てきたのかを
お話ししていきます。
それでは早速行ってみましょう (‘◇’)ゞ
有毛細胞を持っているのが共通点
前にも言いましたが魚が持つ側線器は
後に我々の耳の中にある膜迷路に
進化していきました。
その証拠に側線器と膜迷路には
有毛細胞を持つという
共通点があります。
有毛細胞についてはこちら
人間と魚は同じ細胞を持っていた!人と魚を繋ぐ有毛細胞。
ですが、そもそも有毛細胞とは
水の流れを感じる器官でした。
それが今では
陸上生活に適応するために
頭の回転を知る器官に
変わっているんです。
半規管の構造は全ての陸上生物に適応する!
先程も言いましたが
半規管は頭の回転を知る為の
器官になります。
私達が頭を左右に振ったり
上下にうなずく運動は
全て半規管によって感知されています。
原始的な脊椎動物の円口類には
半規管は2本しかありません。
しかもこの2本は
どちらも垂直方向に
伸びています。
ですがその後、進化の過程において
水平方向に延びる3番目の半規管が
出来ました。
この3本の半規管が
魚類以上の全ての脊椎動物に
共通する構造になっています。
感覚器官が集まった膨大稜部
半規管には膨大部と呼ばれる
膨らんだ部分があります。
膨大部の内部には感覚細胞が集まった
膨大部稜(ぼうだいぶりょう)が
あります。
膨大部稜にある感覚細胞の突起は
ゼリー状の物質に包まれて
頂体になっています。
そして半規管を満たす
内リンパの中を
浮遊しているんです。
「頭が回転している感覚」の仕組み
頭を回転させると
感覚斑の感覚細胞は
頭と一緒に動きます。
その時、内リンパは
慣性の法則に従って
元の位置に留まろうとします。
すると内リンパは
身体の回転より遅れます。
この結果、
頂体と内リンパの動きに
ズレが生じます。
そして頂体に包まれている
感覚毛が曲がり、
有毛細胞が興奮します。
この興奮が脳に伝わると
「頭が回転している」
という感覚が起こるんです。
半規管と側線器の仕組みは似ている!
先程も説明しましたが、
半規管の感覚班には
側線器の感丘に見られた
頂体があります。
また液体の動きによって
頂体が曲がる仕組みも
側線器と共通しています。
この事からも
半規管が側線器から出来たと考える
根拠の一つになっています。
半規管が内リンパという
液体に満たされてるのは、
側線器が活躍した水中と
同じ環境を作っているからなんです。
つまり半規管の中は
疑似的な海であり
私達は今でも液体の動きを
感知して生きているんです。
まとめ
どうでしたか?
今回の話をまとめると、
半規管は
「頭の回転を知る」
器官である。
魚類以上の脊椎動物には
半規管は3本ある。
頭が回転している感覚は
頂体と内リンパの動きの
ズレによって感知される。
こんな感じでしょうか?
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただき
ありがとうございました (*’▽’)