平衡聴覚器の進化16
こんにちは!そして初めまして!
動物バナシの管理人
理学療法士&
エボルファンクショニスト
ユーイチです。
膜迷路が聴覚器になった理由
についてお話ししていきたいと
思います。
膜迷路とは耳の中にある
複雑な形をした場所の事です。
膜迷路についてはこちらをどうぞ
耳の中にある大事な迷路!膜迷路の仕組みについて詳しく説明します。
今まで話してきたように
聴覚器は同時に
平行感覚の器官でもあります。
というよりも平衡感覚の器官が
聴覚器官も担っていると
言った方が正しいですね。
つまり元々バランスを
担っていた器官が
何かの理由で音を感じる力を
手に入れた訳です。
それは一体どういう理由なのか
話していきたいと思います。
それでは早速行ってみましょう (‘◇’)ゞ
後発の器官はあるものを使うか、捨てたものを使うかで進化する。
進化の過程で言えば
脊椎動物の聴覚器は
時間的に言えば後から
出来たものです。
後発の器官を身体で作るには
二通りのやり方で作ります。
1つは目は
既存の器官の一部を
利用して作る。
2つ目は
進化の過程で廃材になったものを
利用して作る。
こうして後発の器官は
発達してくることが多いんです。
その理由としては、
完成された動物の身体には
新しい期間を作る材料も
新たに割り振れるスペースも
無いからなんです。
この為、脊椎動物の
聴覚器が選んだ方法が
膜迷路の中に入り込む
という方法だったんです。
聴覚器の最初は微かな振動を感じる感覚細胞だった
残念ながら平衡覚器だった膜迷路が
聴覚器を兼ねる事になった理由は
はっきりしていないんです。
ただ考えられてる1つの可能性として
次のような考え方があります。
円口類や魚類には側線器
という器官があります。
側線器についてはこちら
魚にも耳があった?!水生動物の耳「側線器」
この側線器は基本的には
水の流れを感知する器官です。
ですが、それ以外に水を伝わる
周波数の低い微かな振動に対しても
敏感に反応する感覚細胞が
分れていきました。
そのような感覚細胞の一部が
側線器から膜迷路が分かれる際に
膜迷路壁に入り込んでいきました。
膜迷路壁に入り込んだ感覚細胞は
ラゲナ斑や基底斑などを
作っていきました。
後に感覚細胞は周波数の高い振動にも
反応するようになりました。
それらが集まって
膜迷路の聴覚部になったのではないか
という考え方です。
実はこの考え方は眼の進化の時に
似たような話をしています。
ミミズの明暗視についてはこちら
無脊椎動物の眼は様々な進化を遂げてきた!明暗視から方向視までの動物達の話
まとめ
どうでしたか?
今回は
膜迷路が聴覚器になった
話でした。
今回の話をまとめると、
後発の器官は
体の中にあるものを利用するか
体の中の廃材を利用するかで
作っていく。
聴覚器は周波数の低い振動に対して
反応する感覚細胞が始まりだった。
側線器から膜迷路が分化する時に
膜迷路壁に感化う細胞が入り込んで
聴覚器が進化していった。
こんな感じです。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただき
ありがとうございました (*’▽’)