視覚器の進化 2
こんにちは!そして初めまして!
動物バナシの管理人
理学療法士&
エボルファンクショニスト
ユーイチです。
今回は感覚器の
眼についての2回目です。
僕達が眼というと
ものの動きや大きさ
形などを見る感覚器
と当然のごとく考えてしまいます。
ですが僕たちが考える目の機能は
進化がもたらした
非常に高度なものです。
最初の視覚器は
光をとらえる機能しか
持ってなかったんです。
つまり
「明るい」か「暗い」か
これだけです。
ですがそれがわかるだけでも
原初の動物たちにとっては
生き残るうえで非常に有利に働いた
と思います。
その後の動物たちは
進化の階段を上るたびに
よりよく見える眼を
獲得していくことになるのです。
では視覚器が
どうやって進化したのかを
無脊椎動物の進化で
見ていきましょう (‘◇’)ゞ
無脊椎動物の眼には水晶体眼と複眼の2つがある
無脊椎動物とは
脊椎(脊柱)を持たない
動物の総称の事です。
クラゲ、イソギンチャク、
アワビ、タコ、イカ、エビ、
チョウ、ガ等々。
数え上げればきりがありません。
それもそのはずで
地球上に生息する動物の
大部分を占めているのが
無脊椎動物だからです。
その無脊椎動物の
視覚器の特徴は
皮膚の表層部を占める
皮膚から作られている
事です。
進化の過程に沿って
見比べると無脊椎動物は
視覚器を大きく2つに分けて
進化させていきました。
一つ目はタコやイカなどが持つ
ピンポン玉のような水晶体眼。
2つ目は
昆虫やエビなどの節足動物が持つ
複眼です。
明暗視から方向視までの流れ
では今から2つの道筋のうち
水晶体眼に至るまでの
進化の過程をお話しします(#^.^#)
明暗視が出来る散在性視覚器
もっとも原始的な視覚器をもつ
身近な動物といえば
環形動物のミミズです。
では原始的な視覚器の役割とは
何でしょう?
それは明暗視が出来ることです。
簡単にいうと
光の有無が分かる事です。
ですがミミズには
僕たちが想像するような
眼は見当たりません。
しかしミミズは間違いなく
光を感知しています。
その証拠にミミズに光を当てると
照射反応を起こすからです。
照射反応とは光が当たると
身体を縮めたり
土中に潜ったりする事です。
実はミミズの視覚器は
表皮細胞の間に無数にある視細胞
という光受容細胞の事なんです。
ミミズはこれらの細胞で
光を感知しています。
このように体表に
無数に散らばった視覚器を
散在性視覚器と呼ぶんです。
支持細胞が加わった眼点
散在性視細胞は
身体のあらゆる所に
散らばって存在していました。
しかし視細胞が
段々と数か所に集まって
眼点という小さな集団を
作っていきます。
眼点は視細胞に加えて
視細胞を支えたり栄養を供給する
支持細胞が加わります。
さらに膜状の構造物が
作られていきこれが網膜と
呼ばれる物になる訳です。
眼点は散在性視覚器よりは
少し進んだ形態ですが
それでも眼としての機能は
それほど変わりません。
つまり眼点も明暗視が
出来るだけだと
考えられています。
この眼点を持つ動物としては
腔腸動物のクラゲや
扁形動物のプラナリア等が
有名です。
角度が次いで方向視が出来るようになった杯状眼
眼点よりも
一つ進化した眼といえば
杯状眼になります。
杯状眼とは読んで字のごとく
中央がすり鉢状に
くぼんだ形をしている眼です。
これはいわゆる
カタツムリが属する
腹足綱に見る事が出来ます。
腹足綱にもいろいろ
発達段階の眼が見られますが
杯状眼を持つのは
アワビに近い貝の仲間である
ヨメガカサです。
出典:https://www.zukan-bouz.com/syu/%E3%83%A8%E3%83%A1%E3%82%AC%E3%82%AB%E3%82%B5
この杯状眼で注目すべき点は
中央部のすり鉢状のくぼみです。
眼の中央がくぼんでいると
斜めから射す光は
網膜の一部にしか当たりません。
それによりどの視細胞に
光が当たっているかを
認識することで
光の方向が分かります。
つまり方向視が出来るんです。
方向視をするためには視細胞が
平面に分布してない事が必要です。
まとめ
どうでしたか?
今回の話をまとめると、
無脊椎動物は
水晶体眼と複眼を
2種類の眼を持っている。
散在性視覚器は
明暗視をする。
眼点は散在性視覚よりも
進化した眼だが
明暗視しか出来ない。
杯状眼は方向視が出来る。
それでは今回はここまで。
最後までお読みいただき
ありがとうございました (*’▽’)