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こんにちは!そして初めまして! 動物バナシの管理人、ユーイチです。
今回は人類(ホモ・サピエンス)と類人猿との違いについてお話していきたいと思います。実は現生人類とチンパンジーなどの類人猿とを区別する解剖学的特徴は骨格や歯に多く見られるんです。
その特徴によって人類の祖先だと分かった化石で有名なのが、サヘラントロプス・チャデンシス(通称トゥーマイ)になります。
サヘラントロプス・チャデンシスについてはこちら
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そんな世紀の発見の決めてとなった特徴は何なのかをお話していきたいと思います。
それでは早速行ってみましょう。
長年の蓄積が違いを生む
先程も言いましたが、現生人類と類人猿を区別する外貌学的特徴は数多くあります。この両者の違いは、700万年という長い年月をかけて蓄積されてきました。
そう考えると、初期のホミニン(猿人)とその時代の類人猿、現代の我々と現代のチンパンジーを比べると初期ホミニン達の方が解剖学的違いは少ないと考えられます。
つまり研究者は、ホミニンの化石と思われるときには、現生人類にはあるがチンパンジーやその2つの最終共通祖先には無い特徴をその化石の中に探します。
類人猿の特徴
チンパンジーとゴリラの解剖学的共通点は、両者と現生人類の間の共通点より多いです。
例えば、頭蓋骨では上下の大きな犬歯や、その他にも私たちと大きさはあまり変わらない左右平行に並んだ臼歯列、歯を覆う薄いエナメル質、突き出た顔面、小さな脳などです。それ以外にも木登りと四足歩行に適した骨格等があげられます。
この事から、研究者たちは、現生人類とチンパンジーの最終共通祖先はチンパンジーやゴリラとの解剖学的共通点が多いと考えていました。この考えは、進化の系統樹をから言っても妥当な考えだと思われていました。
ところが最近になって、チンパンジーやその後のホミニンとは、異なる解剖学的特徴を持つ初期ホミニンと考えられる化石が見つかりました。この事が初期ホミニンと同じ時代に生きていた類人猿との区別をますます難しくさせたのです。
人類と類人猿の歯並びの違い
では、結局のところホミニンと類人猿の違いはどこで見るのでしょうか?
その2つの最もはっきりとした違いは、口を開くと分かります。
口を開くと、現存する全ての類人猿には、大きく突き出た犬歯があるんです。
そして、この立派な犬歯をしまう為に、下顎側の歯の並びも違います。
顎を閉じると、下顎側の大きな犬歯の収まる歯間が、上顎の切歯と犬歯の間にあります。
上顎の犬歯を科学の第一小臼歯にこすりつけて、片側を鋭く尖らせることを「ホーニング」と呼びます。
そして、それに関わる解剖学的特徴を「ホーニング型犬歯小臼歯複合体」と呼びます。この複合体は、上の図を見てもらうと分かる通り、人類には痕跡すら残っていません。
人類にも小さいですが犬歯はあります。この小さな犬歯の役割は、切り歯と似ていて、先端は鋭くなくすり減っています。つまり、犬歯としては使っていない事が分かります。
更に、大きい犬歯を持っていない私達は、切り歯と犬歯の間に隙間もありません。その為、研究者が初期ホミニンの化石かどうかを判断する時に最初に探すものの1つが小さな犬歯なんです。
人類と類人猿の歯列弓の違い
先程、人類と類人猿の違いとして歯と歯並びを取り上げました。ここでもう1つ歯についての違いについてお話したいと思います。
その違いとは歯列弓の違いです。歯列弓とは歯並びが描く曲線の事を言います。
積ほどの図を、もう一度見てみましょう。
類人猿の歯列は前歯が大きいので、幅が広くなっています。更に犬歯より後ろの臼歯列は、左右平衡に並んでいて、全体的にU字型を描いています。
それに比べて、人類の犬歯と切り歯は小さくなっています。その為、全体的に丸みを帯びていて、緩やかな放物線を描いた形になっているんです。
まとめ
どうでしたか?今回は、人類(ホモ・サピエンス)と類人猿との違いについての話でした。
今回の話をまとめると、
- ホモ・サピエンスと類人猿には歯と歯並びに大きな違いがある。
- 類人猿の歯並びはホーニング型犬歯小臼歯複合体と呼ばれている。
- これらの事がホミニンかどうかを見極める大きな手掛かりになる。
こんな感じです。
それでは今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。