体の傾きは小さな石で感知する⁈耳の中にある石、耳石について紹介します。

平衡聴覚器の進化14

こんにちは!そして初めまして!

動物バナシの管理人

理学療法士&

エボルファンクショニスト

ユーイチです。

皆さんは自分の身体の中に

石が入っている事を

御存知でしょうか?

誤解がないように言うと

腎結石や胆のう結石の

話ではありません (;^ω^)

今私が聞いたのは

そういう病気で出来た

石の事ではありません。

今聞いてるのは

人間なら必ず持っていて

そして人が生きる上で

無くてはならない石です。

それの大事な石が

何処にあるかというと

私達の耳の中にあります。

耳の中には膜迷路と呼ばれる

複雑な嚢があります。

膜迷路についてはこちら

耳の中にある大事な迷路!膜迷路の仕組みについて詳しく説明します。

その袋には

卵形嚢と球形嚢と

呼ばれる場所があります。

そこに今回のテーマである

耳石という小さい石が載った

感覚斑があるんです。

では何故、私達の身体には

石の載った感覚斑があるのでしょう?

今回はそのあたりについて

お話ししていきたいと思います。

それでは早速行ってみましょう (‘◇’)ゞ

石が載っている感覚器「耳石器」

先程、卵形嚢と球形嚢には

耳石が載った感覚班が

あるといいました。

その卵形嚢と球形嚢

あと哺乳類以外にはラゲナにある

感覚器を、

卵形嚢斑

球形嚢斑

ラゲナ斑

と呼んでいます。

これらの耳石を持つ感覚器を

総称して耳石器と呼びます。

耳石器の構造

この石が載っていると云う事を

以前に平衡感覚器の時に

お伝えしたと思います。

そして耳石器と平衡覚器の

基本的な構造と働きは同じです。

どちらも

頭部の傾きと動きを感知する器官

になります。

平衡覚器についてはこちらから

実は奇妙は耳の能力。平衡感覚と聴覚を感じる不思議な場所

ではどうやって、この感覚器が

頭部の傾きを感知するのか

説明したいと思います。

耳石器が頭部の動きを感知する仕組み!

耳石は有毛細胞の感覚毛に

載っています。

そして感覚毛と一緒に

ゼリー状の耳石膜(平行砂膜)

包まれています。

身体が傾くと、

重力により耳石の位置がずれて

有毛細胞の感覚毛が曲がります。

また、体が上下・前後・左右の

いずれかに移動する時、

有毛細胞は身体と一緒に動きます。

しかし、

耳石は慣性の法則に従って

元の位置に留まろうとします。

この為、

体が進むのとは逆の方向にずれて

有毛細胞の感覚毛が曲がります。

実は有毛細胞の配列には

ちゃんと規則性があります。

その為、

どの有毛細胞が興奮するかを知れば

傾斜や運動の方向などを

知る事が出来るんです。

平行斑の反応
動物が移動したり、体が傾いたりすると、耳石膜は上の矢印の方向に変位する。
耳石膜が変位する事により、有毛細胞の感覚毛が曲がる。

運動を感知するところを個別に見てみよう!

運動を感知する場所は

場所によって違いがあります。

それを個別に見ていきましょう。

球形嚢斑は

ほぼ垂直についているので

上下運動を感知します。

卵形嚢斑は

水平になっているので

前後・左右方向の運動を

感知しています。

耳石があるか無いかで感覚が大きく変わる!

耳石器の内部も

内リンパで満たされていて

感覚毛がゼリー状の物質に

覆われています。

この点も半規管の

感覚班と同じです。

ですが、先程も説明したように

耳石器の感覚毛は

耳石という重石の動きに反応します

それに対して

半規管の場合には

内リンパという液体の

動きに反応します

驚くべきことに

このごく小さな石が

載っているか否かの違いで

感覚の住みわけが成立しています

まとめ

どうでしたか?

今回は耳石についての

お話しでした。

今回の話をまとめると、

耳石器は頭部の

傾きと動きを感知する器官

体が傾くと重力によって

耳石の位置がずれて

有毛細胞の感覚毛が曲がる。

耳石器の感覚毛は

耳石という重石の動きに

反応する。

こんな感じです。

それでは今回はここまで。

最後までお読みいただき

ありがとうございました (*’▽’)

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