金魚すくいは何故難しい?
水の動きを察知する感覚器

聴覚器の進化 7

こんにちは!そして初めまして!

動物バナシの管理人

理学療法士&

エボルファンクショニスト

ユーイチです。

皆さんは金魚すくいって

やったことありますか?

網がすぐ破れるのは

もちろんですが、

金魚たちがとても上手く

逃げますよね (;^ω^)

金魚の眼に映らない様に

後ろからすくおうとしても

あっさり逃げられます。

当然ながらあれには

ちゃんと理由があるんです。

それを可能にしているのが

以前話した側線器なんです。

側線器についてはこちらもどうぞ

魚にも耳があった?!水生動物の耳「側線器」

以前に側線器は

魚の耳みたいなもの

と話しました。

その魚の耳がある事で

どう役に立つのかを

話していきたいと思います。

それでは早速行ってみましょう (‘◇’)ゞ

魚は周りをよく知っている

先程の金魚の話は側線器の働きを

分かりやすく教えてくれています。

側線器の働きは

水の動きを知る事です。

水棲動物が周りの状況を

把握するにあたって水の動きは

非常に重要な情報です。

川の場合

河川において

水の流れを知る事により、

自分が上流か下流のどちらを向いて

泳いでいるかが分かります。

産卵をする鮭がちゃんと上流を

目指せるのもこの為です。

海の場合

広大な海でも海流の方向を

知る事はとても大事です。

それを知る事によって

自分の進んでいる方向を

正確に知ることが出来ます。

また水の不自然な動きを

とらえる事が出来れば、

近くにいる獲物、敵、仲間を

いちはやく発見する事も

可能になります。

先程の金魚が逃げていくのは

まさにこれですよね (*’▽’)

深海の場合

深海などの光の届かない場所に

生息している魚類には目がありません。

その代わりに

非常に発達した側線器を

持つものもいます。

視覚が使えなくても

側線器によって周囲を感知し、

餌を取ったり

敵から逃げているんです。

深海魚の眼についてはこちらから

深海魚の退化した眼  遠近両用の望遠鏡眼

「視覚をあきらめた生き物たち」  ヌタウナギの場合

眼を退化させた生き物たちは思っている以上に多い。そのうちの何種かを紹介します!

クジラにも側線器はあるのか?

完全な水棲動物は

何も魚だけではありません。

完全に水中に適応した動物は

他にもいます。

爬虫類のウミガメやウミヘビ

哺乳類のクジラやジュゴン等が

当てはまります。

陸に上がった脊椎動物には

水の動きの情報は

もはや必要でなくなりました。

身体は効率的に働くので

いらなくなった機能は

当然徐々に退化していきます。

話が少しそれますが、

進化と退化は不可逆的です。

一度その機能をつかさどる器官を

失ってしまうと、二度とその器官を

取り戻すことはできません。

この話の有名な例として

霊長類の色覚があります。

実は多くの哺乳類は色を

見分けることが出来ません。

それはその能力を

太古に失ってしまったからです。

しかし、果実を食べる事になった

霊長類の祖先は、

どの実が熟しているのかを

見分ける必要が出てきました。

先程も言いましたが、

退化した器官が

もう一度復活する事はありません。

その為、私たちの祖先は

今までの色覚とは全く別のものを

作り上げたのです。

つまりクジラに代表される

一度陸に適応していた動物たちは

再び水中生活に戻っても

側線器が復活する事はないんです。

つまり側線器とは魚類が持つ

特殊な器官という事です。

それでは今回はここまで。

最後までお読みいただき

ありがとうございました (*’▽’)

最新情報をチェックしよう!