始めに
こんにちは!そして初めまして! 動物バナシの管理人
理学療法士&エボルファンクショニスト(Evolfunctionist)のユーイチと言います。
今までは数回にわたって無脊椎動物の
眼についてお話ししてきました。
今回からは脊椎動物、つまり僕らの
眼についてお話ししていきます。
それでははじめていきましょう。
大きな違い
おさらいですが無脊椎動物の眼は
皮膚の表皮から出来ています。
詳しくはこちらをどうぞ
それに比べ脊椎動物の眼は
脳から作られる
のが特徴です。
これが無脊椎動物の視覚器との
もっとも大きな違いになります。
二つの眼
またおさらいになりますが
昆虫は目を2種類持っています。
詳しくはこちらをどうぞ
実はこのように2種類の視覚器を持つ動物は
昆虫の他にもいるんです。
それがなんと私達を含めた
脊椎動物なんです φ(..)メモメモ
耳と鼻の間にある眼を
外側眼
と呼びます。
そして頭頂にあるもう一つの眼を
頭頂眼
と呼びます。
脳から作られる眼
ではなぜ脊椎動物の視覚器は
脳から作られるのでしょうか?
無脊椎動物が皮膚から眼を作り出した事を考えると
少し不思議な感じがするかもしれません。
でも視覚器と中枢神経の発生過程を知ると
このつながりは必然的なものだと感じるはずです。
最初は神経板
遥か昔、恐竜よりも前の時代
脊椎動物の祖先は水底でくらしていました。
その頃の動物の視細胞は
上から注ぐ光を感知するために
背中側の表皮に広く分布していました。
いわゆる散在性視覚器です (*^^*)
その内に背中の表皮が肥厚して
神経板
を作ります。
神経板からの神経管
神経板が作られると
視細胞の一部が神経板に入り込みました。
神経板はやがて
神経溝
と呼ばれる溝を作ります。
さらにその溝が閉じて
神経管
を作り出します。
そこから脳や脊髄などの
中枢神経系
に分化していきました。
いつ視細胞が脳に移ったのか?
では、いつ体表にあった視細胞が
脳や脊髄に移ったのでしょうか?
おそらく歴史的に考えて
表皮から中枢神経系が分化した時
だと考えられます。
ナメクジウオの視細胞
今までの話を裏付けとして
ナメクジウオ
の視細胞を見てみましょう。
ナメクジウオとは
原索動物と呼ばれ
脊椎動物に近い動物です。
ナメクジウオの視細胞は
脊髄の中に散らばる散在性視覚器です。
ナメクジウオは身体が小さく
皮膚の透明度が高いんです。
その為、視細胞が脊髄の中にあっても
皮膚を通して光を受容することが出来ます。
それでも留まり続けた
脊髄は体表から離れたところにあります。
つまり視細胞が光を受ける場所としては
最適とは言いづらいです。
それでも視細胞は再び体表に戻ることはなく
脊髄の中にとどまり続けました。
やがて中枢神経系に入り込んだ視細胞は
発展して視覚器を作っていきました。
それに対して中枢神経系以外の視細胞は
段々と退化をしていくことになるのです。
大型化の結果
現在でもナメクジウオのような体であれば
脳や脊髄にあった視細胞であっても
光の恩恵は十分に受けていたと思います。
でも進化の過程で脊椎動物の身体が大きくなり
徐々に不透明になっていきました。
こうなってしまっては脳や脊髄にある視細胞には
光は十分に届きません。
この事態に対応するために
左右と上方の表皮の真下まで視細胞を伸ばしました。
こうする事で光の恩恵を
より多く受けようとしました。
こうして左右の突出部は外側眼
上方の突出部は頭長眼になりました。
終わりに
どうでしたか?
脊椎動物も最初は
散在性視覚器から始まったんですね (*^^*)
そこから神経板を作り
脳から視覚器を伸ばしました。
次回は頭長眼についてお話していきたいと思います。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました!